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【特集】楽な仕事に就ける資格

ラクかどうかで仕事を選ぶのは、おいらはあんまり感心しないが、器用に生き抜くのは別に悪いことじゃないと思うぞ。

結局楽しい仕事がしたい!楽な仕事はどこにある?

これから工場で働きたいと考えている人や、転職を考えている人の中には「どうせ仕事をするなら楽しく仕事がしたい!」や「楽な仕事につきたい!」と考える人はたくさんいます。実際に製造業の中でどんな仕事が楽なのか、またこれから工場勤務をしてみたいと考えている人に、あると便利なおすすめの資格についてご紹介します。

製造業で楽な仕事につく方法

製造業の中でも「楽な仕事につきたい」と考えている人も多いですが、まずは「楽な仕事とは?」というところから考える必要があります。そして、より楽しく、楽に働くためにあると便利なおすすめの資格をご紹介します。

製造業で楽な職種を考える

「楽な仕事」というとどんな仕事を想像しますか。人によって印象の違う製造業ですが、職種によっても楽かどうかは変わってきます。

人により「楽な仕事」の定義が異なるのも事実です。同じ工場勤務でも座りながら作業ができる仕事が楽なのか、作業内容自体は大変であっても、1人で作業できる気楽さを「楽」と感じるなど様々あります。

また、仕事のモチベーションの状態も楽かどうかに関わってきます。作業にやりがいを感じない場合、毎日の仕事がつまらなくなり、精神的につらくなってしまうことも。

給与が低い仕事もモチベーションに関わります。毎日やる気を持って働いているのに、得られる給与が低いと、報われない思いが募りつらくなってしまうものです。

作業自体の楽さでいえば、ボタン1つで製品が作れるマシンオペレーターが楽という人もいれば、機械が勝手に作ってくれるNC旋盤が楽という人もいます。「製造業の中でどんな仕事が楽か」を考える前に、まずはどんな職種があるのか、そして自分はどんな仕事がしたいのかを考えてみるといいかもしれません。

未経験で正社員になれる
ライン工の仕事は?

工場勤務をするならおすすめの資格

工場勤務は資格がない未経験でも働ける職種はたくさんあります。しかし、せっかくならより楽しく働くために、資格を取得する方法があります。そこで、工場勤務をする人におすすめの資格をご紹介します。

フォークリフト免許

工場にあるフォークリフト車両

フォークリフトは、工場や倉庫などで重いものを運ぶ際に重宝します。特に巨大な荷物が多く集まる貨物ターミナルでは、フォークリフトが欠かせません。しかしフォークリフトで仕事をするためには、免許を取得する必要があるため、誰でも扱えるわけではありません。そのため、工場で勤務をするならフォークリフトの免許があると便利でしょう。フォークリフトの免許があることで、時給のべースが上がったり、手当てが付くということもあります。フォークリフトの免許は最大35時間(最短5日間程度)の「フォークリフト運転技能講習」を受けることで取得できます。費用は4万円ほどなので、興味がある人はぜひチェックしてみてください。

トラックの免許(中型免許)

トラックの車両イメージ

工場で勤務をする場合、出来上がった製品を他の工場への運送作業が発生する場合もあります。ここでいう「トラックの免許」とは、一般的な長距離トラックの運転手とは異なり、長時間、長距離を運転するというものではなく、近くの工場へ運ぶという目的です。普通免許があれば、最大積載量2トン未満であれば誰でも運転できますが、工場勤務の場合、輸送のほとんどが4トントラックを利用して行われるので、4トントラックの運転免許を持っておくと、良いかもしれません。一般的な工場で利用されている4トンのトラックを運転するために免許を取得する場合は、2017年に新しくできた「準中型免許」ではなく「中型免許」の取得となります。

免許を取得した時期によっては(2007年6月1日まで)、普通免許で4トントラックを運転することも可能です。

溶接技術者

溶接技術者は、母材となる金属を溶かして、金属同士をくっつける技術に関する資格です。ある程度の体力が必要ですが、綺麗に溶接できると周囲に腕が認められ、モノづくりのやりがいや喜びが得られます。「単純作業がつらい…」という人におすすめの資格です。

溶接の対象となる金属や溶接材料の金属の種類、作業者の手で行うか自動で行うか、といった違いで細かく分類されます。ここでは代表的なアーク溶接・ガス溶接・銀ろう付けの3つを説明いたします。

  1. 手溶接(アーク溶接)
  2. アーク溶接は、溶接作業の中で最もポピュラーな方法です。
    溶接棒をトーチに取り付け、溶接をしたい場所にすりつけるとアーク放電という現象が発生。放電による高熱で溶接棒を溶かし、母材の金属を接着します。アーク溶接は作業中の紫外線で目が傷つく、やけどを負う、腰痛になりやすいといったケガに対するデメリットが多く聞かれます。しかし、慣れるとケガのリスクも減りますし、体の使い方、トーチの構え方などが身につくことで作業自体もだいぶ楽に。また、アーク溶接は建築現場での鉄骨溶接や、工場で重機の修理など、さまざまな現場で需要のある資格です。手に職をつけるため取得する資格としては最適といえます。

  3. 手溶接(ガス溶接)
  4. アセチレンガスを始め、可燃性ガスを使って母材を溶かし溶接・溶断するための資格です。アーク溶接は煙や光で視界が悪いので、溶接ビード(溶接後ミミズ腫れのように盛り上がる部分)をまっすぐにするにも長年の経験が必要。その点ガス溶接は溶接部が見やすいため、溶接不良などのリスクが低く、アーク溶接よりも比較的楽に作業ができます。建築・建設現場で需要が高く、可燃性ガスを用いる作業なので有資格者が必須ということもあり、就職・転職に強い資格といえます。

  5. 銀ろう付
  6. 銀ろう付とは、銀の合金を使った金属の接合方法です。アーク溶接・ガス溶接に比べると接合力は劣ります。しかしはんだ付以上の強度がある、溶接が苦手な細かい箇所への接合ができる、などのメリットがあります。
    細かい部分への作業なので神経を使いますが、要求される技術が高い分、モノづくりのやりがいを感じられる仕事といえます。部品加工・製造をする工場やアクセサリーの製造をする会社でも、この資格は生かせるでしょう。

危険物取扱者

ガソリンや灯油など、燃焼性の高い製品を扱えるようになるのが、危険物取扱者の資格です。危険物取扱者の資格を取得し、6ヵ月以上の実務経験を積めば、危険物の保安監督に選ばれる可能性があります。業務は保守点検や管理が中心となるため、体力を使う仕事に比べ負担の少ない仕事といえるでしょう。

ほかにも、危険物を運ぶタンクローリーの運転もできます。大型車の運転が苦でなければ、肉体労働がないのでこちらも楽な部類の仕事といえるかもしれません。

また、資格の取得によって危険物を取り扱う化学工場や石油プラント、ガソリンスタンドといった職場へ就職しやすくなります。現在働いている会社で危険物取扱者の資格を優遇していれば、仕事の幅を広げられるほか、資格手当による給与アップも望めるでしょう。

衛生管理者

労働条件の改善や労働環境における衛生面の改善、快適な職場環境の形成などが衛生管理者に求められる業務です。業務は主に働いている人の健康状態の調査と対応、作業場の温度・湿度・騒音・有害物質の有無の調査、仕事の労働条件や施設の衛生面が良いか調査と対応、が挙げられます。

通常の業務と兼務している人が多く、必ずしも楽な仕事とはいえません。しかし、職場で働く人全体の健康に携わる仕事なので、普段の仕事にやりがいを求めている人におすすめの資格です。常時50人以上の労働者が在籍する事業場は必ず選任しなければならず、多くの工場で需要の高い資格といえます。

有機溶剤作業主任者

有機溶剤作業主任者は、中毒症状を引き起こす危険な有機溶剤を使う現場で指揮・監督・保管ができる資格です。作業中の指揮や監督、保管場所の管理業務を主に行うので、体力を使わない楽な部類の仕事といえます。

需要の高い資格であり、合成樹脂や化学繊維の製造所・有機溶剤の製造や貯蔵を行う工場・医薬品の製造所・自動車整備工場・塗装業などさまざまな職場にニーズがあります。人から頼られる、やりがいのある仕事をしたいという人におすすめの資格です。

電気工事士

電気設備の設置・修理・整備を行う電気工事士。工場内での保守点検や室内工事を担当する場合、重い工具や資材を運ぶこと、図面の内容や配線の仕方を覚えることが必要で、仕事内容は決して楽とはいえません。

ですが、仕事内容が大変な分、メリットもあります。機械いじりが楽しい人の場合楽しく仕事ができますし、機器を設置し電気が通った時、達成感とやりがいを感じられる場合も。

また、多くの工場でこの資格の保有者は需要があります。将来への備えとして何らかの資格を取得したいと考えている人に、この資格はおすすめできるのです。

特定化学物質等作業主任者

労働安全衛生法で定められた、健康障害を発生させる可能性が高い物質を監督・指導するための資格です。特定化学物質とは、塩素化ビフェニル・塩化ビニル・アンモニアなど有害性の高い物質のこと。

特定化学物質等作業責任者は作業員の安全を守るため、作業方法を指導します。ほかにも、保護具の使用状況の管理や排気装置・廃液装置などの点検・タンク内で安全措置が取られているかどうかの確認も業務に含まれます。体力を使うことがないので、肉体を酷使する仕事と比べると負担の少ない業務といえるでしょう。

マイクロソルダリング(微細はんだ)技術者

マイクロソルダリングとは、数cm~数mmの微細な部品にはんだ付けをする技術です。拡大鏡や顕微鏡を用いる細かい作業ですから、神経を使う業務です。

しかし、専門性の高い仕事なので、技術と経験を得ることで人から頼られる機会が増えます。多くの人から必要とされれば、やりがいを感じられるかもしれません。

また、近年では電子機器の小型化の流れから、マイクロソルダリングの需要が高まっています。就職・転職に強い資格なので、将来の備えとして資格取得を考えている人におすすめの技術資格です。

CAD

機器や設備の構造、回路の設計など、さまざまな業務に必要な設計図。CADはコンピューターの機能を利用して、設計図を作るためのシステムやソフトウェアです。技術資格は数多くの種類に分類されていますが、工場で需要があるのは3次元CAD利用技術者。立体での製図はより具体的に内容を把握できるので、多くの工場で需要のある技術資格です。

CADの技術資格を活用する場合、パソコンを使う業務がメインになります。同じ場所でじっとしているのが苦手な人には不向きですが、デスクワークが得意な人なら、肉体労働に比べ負担の少ない業務でしょう。

機械加工(マシニングセンタ)

機械加工に関する資格とは、「機械加工技能士」と呼ばれる技能資格のこと。工作機械や切削工具を使い、金属材料を加工するための技術を試される資格です。

工場においては、金属加工や金型製造に使われる「マシニングセンタ」と呼ばれる機器の扱いにおいて需要があります。
マシニングセンタは、プログラムを入力して金属の穴あけ・平面削りなどを自動でこなせます。しかし、正確に作業をさせるには、プログラムの入力や細かい調整作業ができる技術者が必要です。

作業や計算において慎重さや正確さが求められるので、精神的な負担が大きい仕事です。しかし、慣れれば負担も少なくなり、綺麗に加工を仕上げれば作業によるやりがいを感じられるようになります。また、肉体的な負担が少ないため、体力を使う仕事と比較すると楽な部類の仕事ともいえるでしょう。