検査の仕事は工場の求人の中でも1番人気らしいな。楽そうだと思ってないか?けどな、検査の仕事にもつらい部分はあるんだ。もちろんやりがいを感じられる部分もあるから、検査に興味があるならちょっと見ていってくれ。
ライン工の仕事の中でも、比較的楽に働けると言われている検査の仕事。誰でも気軽にできそうなイメージがありますが、果たして本当に楽な仕事なのでしょうか?検査の仕事内容について詳しくご説明します。
できあがった製品を自分の目で厳しくチェックすること。それが検査のお仕事です。
各製造ラインでは、それぞれの担当者が手順を守り万全な状態を目指して作業をしています。しかし、人の手で作業をしていると、必ずちょっとしたミスが発生してしまうのです。また、製造工程自体に問題がなくても、素材や周辺環境に何らかの問題があり製品に欠陥が現れる場合も。
検査の仕事は、そういった問題の起きた製品を出荷してしまわないよう、事前にブロックする大切なお仕事といえます。
製品に傷や汚れがないか目視で確認する作業・製品が正常に動くかモニターで確認する作業・製品の大きさが規定通りか寸法を測る作業・分析機器を使って商品の品質が保たれているか確認する作業など、扱う製品によって検査の内容は異なります。
検査の求人が出されている業種は数多くあります。
自動車や電化製品などの工場・機械部品の製造を行う工場・化学製品を扱う工場・製薬や化粧品の工場・印刷や製紙工場・食品や飲料を製造する工場など。
検査作業はものづくりの仕事において、品質を管理する重要な仕事。そのため、さまざまな業種で検査の仕事が存在するのです。
検査の仕事は製造される製品の品質を守ること。品質の悪い製品を消費者へ届けさせないよう、最終チェックを行う重要な仕事です。そのため仕事における強い責任感と、作業でのスピードと正確性が求められます。
どの工場でも、出荷する製品の品質は重要視しています。自動車を作る工場の場合、品質の悪い自動車を出荷してしまうと、最悪の場合ドライバーの命に係わる事故につながります。食品を扱う工場の場合、品質の悪い食品を出荷してしまうと、食べた人が食中毒に見舞われる可能性も。企業の利益だけでなく、作った製品を使う消費者の安全・安心を守るため、検査の仕事は責任を持って行う必要があります。
また、作業では正確性とスピードも求められます。工場によって異なるのですが、ライン作業での検査では製品がベルトコンベアで運ばれます。次から次へと製品が運ばれてくるので、流れを止めないように素早くチェックする必要があります。
しかし検査では、問題のある製品を明確に見極めることも大切です。素早いチェックをしていると検査を簡単に済ませてしまいがち。隅々まで細かくチェックをしなければ、問題のある製品を出荷してしまう恐れがあるのです。スピードを優先すると正確性がおろそかになり、正確性を重視するとスピードが落ちてしまう。検査の仕事では、矛盾する二つの条件を満たし作業を行わなければなりません。
慣れない内は目への負担や、立ちっぱなし・座りっぱなしの作業による体への負担などが問題です。スピードと正確性を要求されるので、初めて仕事をした人ですとうまく仕事をこなせないことに悩む場合も。
しかし、仕事をこなしていくことで作業の要領がつかめ、どこを重点的に調べればよいかがわかるようになります。すると作業自体のスピードが上がり、同時に品質チェックの正確性も高いレベルで保てるようになるでしょう。目や体への負担も、仕事を続けることで自然と慣れてくるのです。
仕事に慣れてくると、自分が製品の安全を守っているのだという自負が生まれ、やりがいを感じられるようになるでしょう。
検査の仕事は特別な技術・知識は必要ないので、未経験から働いている人が大多数を占めます。
ライン作業の中でも体力面での負担が少ないことから、女性の割合が多いのも特徴。女性の場合作業が丁寧である点も、女性が多い理由の1つでしょう。
また、検査の仕事では1つの仕事に集中して取り組める人が向いている仕事です。ミスなく黙々と作業をこなせる人なら、検査の仕事にもすぐに慣れるでしょう。
ただし、検査作業では他のラインの作業員とも連絡を取る必要があるため、最低限のコミュニケーション能力は必須。黙々と仕事を行なうだけでなく、人との連携もスムーズにできる人。検査の仕事はそんな人に向いているといえます。