「働く期間が決まってるからクビにならない」って思うだろうが、仕事である以上テキトーにやってると痛い目をみるぞ。期間工でクビになるやつなんて珍しくないんだからな。
正社員・契約社員と同じく、期間工もまたクビになる場合があります。
期間工は会社との間で、決められた期間労働をする「有期労働契約」を結びます。しかしこれは会社側に対し、「決められた期間の間雇い続ける」ことを強制するものではありません。
期間工は労働期間が決まっている「非正規雇用」の一種。つまり契約社員と同じ扱いなので、クビになることも十分にありえるわけです。
期間工が会社からクビをいい渡される理由は、ほかの正社員や契約社員と全く同じ。
などの理由が挙げられます。
端的にいえば、工場で大問題を起こした人、または会社側のリストラでクビをいい渡されるわけです。
「会社からリストラされることもある」と聞くと、会社都合で当日にいきなりクビにされたり、契約更新時に突然更新をキャンセルされたりするのでは?と不安になる人もいるはず。
しかしご安心ください。そういった問題が起こらないよう、労働基準法で明確に定めらているため、突然雇い止めを宣告されることはありません。雇い止めをいい渡す場合は、契約期間満了日の30日前まで・有期雇用契約が3回以上更新・1年を超えて雇用されている、といったようにそれぞれ条件があります。理不尽にクビにされることはないのです。
前述したように、会社側の都合や工場でのちょっとしたトラブルでクビになることはありません。しかし、期間工は毎年たくさんの人が応募する人気の仕事。「代わりのいない仕事」というわけではないので、勤務態度の悪さや業務でのトラブルが続けば、会社側からクビをいい渡される可能性があります。
決められた期間を確実に勤め上げたいと考えているなら、ほかの仕事と同じく真面目に業務へ取り組まなければなりません。
期間工をクビになるのはどんなタイプの人なのでしょうか?具体的な例を挙げて解説します。
工場では常に一定量の製品を生産できるよう、従業員のシフトを調整しながら厳格に管理しています。
もしも従業員の1人が遅刻・欠勤・早退を繰り返した場合、工場の生産性を確保できなくなり、工場全体に悪影響が及ぼされてしまいます。
もちろん人は休みなく働けるマシーンではないので、何らかの理由で遅刻や欠勤、早退をしてしまうこともあるでしょう。1度や2度であれば上司から注意を受けるものの、いきなりクビを宣告されるというのは考えにくいのです。
問題なのは毎日のように遅刻・欠勤・早退のいずれかを繰り返す人。ラインでの他の作業員の負担も大きくなるため、こういった人はクビをいい渡される可能性が高いでしょう。
工場で働く場合、工場を持つ会社のルールに従わなければなりません。
会社ごとにルールは細かく存在します。「シフト変更の申請は1ヵ月前に行う」「作業前に手はすみずみまで洗う」「問題のある製品がラインに流れたときはすぐ上司に連絡」、などが挙げられます。
働いてすぐにこれらのルールを全て完璧にこなすことは難しいでしょう。しかし、長く働いているのにまったく守らない、簡単なルールもまったく守る気がない、という人は仕事をする意欲がないとみなされ、クビになる可能性があります。
ラインでの単純な作業でも、初めて働く場合誰でも要領がつかめず、思うように仕事が進められないことがあります。
工場側もいきなり第一線で働けるとは考えていないので、始めの内は仕事がうまくできなくても大目に見てくれます。
ところが、働き始めて2ヵ月、3ヵ月経っても初日と同じ程度しか働けない場合、他の作業員の負担を考え、クビをいい渡される可能性が高くなります。
もちろん肉体的・精神的な問題や、何らかのトラブルが原因で仕事がはかどらない人もいるでしょう。そういった場合は隠さずに上司に伝えておきましょう。担当ラインを負担のないところに変える、といったような対応をしてくれます。
職場で働く人全員と親しくなる必要はありませんが、自分の担当ラインで働く同僚や先輩、リーダー、工場長に対しては、最低限の人間関係を築きましょう。
人間関係が悪化すると、上司から悪い評価を付けられてしまうため、クビになるリスクが高くなります。「単に気に入らないから」という理由でクビになることは考えにくいですが、担当ラインでの業務に差し障ると判断された場合、クビをいい渡されてしまうのです。
毎日のあいさつや軽い世間話など、必要最低限のコミュニケーションを取ることで、人間関係の悪化によるクビは避けられるでしょう。
期間工に限った話してはありませんが、工場全体に悪影響を与えるほどの問題を起こした場合、または刑事事件に該当する犯罪行為を犯した場合、ほぼ確実にクビを宣告されてしまいます。
クビをいい渡されないために、できる方法は大きく分けて2つ。それぞれご説明いたします。
当然といえば当然ですが、1人の社会人として常識的なふるまいを身につければ、クビになるリスクは下げられるでしょう。
常識的な行動とは、「自分勝手な行動をしない」ことともいえます。同じラインの仲間が助けてくれれば礼をいい、逆に困っていれば助けてあげるといったことのほか、毎日のあいさつや最低限の報連相、仕事中の態度など、社会人として一般的な常識を守ることが重要です。
近年は「期間工バブル」ともいわれ、さまざまな会社から好待遇の求人が寄せられています。しかし、景気のあおりを受け順調そうに見える会社でも、経済規模の小さい会社ですと、経営上のトラブルによりすぐに経営不振に陥る場合があります。
経営不振に陥った経営者がほぼ確実に対策として行うのが、人員整理。要するにリストラです。大手企業であれば経営上のトラブルは起こりにくいので、リストラによるクビのリスクが低いといえます。
もちろん中小企業の工場だからといって、必ずクビにされるとは限りません。クビのリスクを少しでも下げる方法として、頭の片隅に留めておいてください。
ここまで期間工のクビの問題について記載してきましたが、上記した例は非常に極端であるため、クビになる人はそれほど多くないのが実情です。
ただ、クビとまではいかないものの、仕事で最低限の実績を出せていない場合、契約更新ができない場合があります。期間工として長く働きたいなら、社会人としての常識と期間工としての働きぶりを十分に示す必要があるのです。