「寮付き」の求人はみんな気になるよな?家賃はタダだし家具家電付きで…といいことづくめだが、住む場所が決められてるとなんだか不安になる。寮生活の実情はどうなんだ?ってことで調べてみたぞ。
ライン工の寮に関する情報を調べると、どのサイトもほとんど耳障りの良い情報しか書かれておらず、不信感を持つ人もいるかもしれません。寮生活に関する良い点・悪い点をリアルにお伝えいたします。
そもそも大手の工場は、都心から離れた場所に建てられることが多いものです。理由は都会では工場を建てるための広い土地を確保しにくいから。当然ながら寮は職場近くにあるので、周りが森や田畑しかない場所に住む場合もあります。
近くに遊ぶ場所がない、コンビニがない、といった不便さを感じるかもしれません。
住む寮にもよりますが、古い寮だと建物の壁が薄く、隣の部屋からの音が聞こえてしまうことがあります。
隣の部屋からテレビの音や笑い声が聞こえてくる、隣の部屋からのいびきで眠れない、廊下の足音や向かいの部屋からのドアの音が気になるなど、音に関する問題はよく聞かれます。
また、隣の人が音に過敏な人ですと、ちょっとした物音で抗議されてしまうことも。音に関するトラブルがあまりにひどい場合、寮の管理人さんに相談すると良いでしょう。
現在では相部屋の寮は少なくなっているものの、古い寮の場合は見ず知らずの人と共同で生活する場合もあります。
自分以外の人と住むので、部屋に帰ってもなかなか落ち着かない、プライベートが確保しにくい、などの問題が現れます。
ただ、相部屋かどうかは求人情報をよく読めばわかるため、応募する前に寮について調べておけば回避は可能です。また、相部屋だとしても仕切りが付いており、ほぼ個室として住める寮もあります。
近年で相部屋の寮は少ないものの、依然として多いのが洗濯機・トイレ・風呂が共用の寮。洗濯機やトイレが共用だと、先に使っている人にずっと占拠されてしまい、なかなか自分が使う番が回ってこないという問題が現れます。特に洗濯機は騒音問題にも関わっており、夜遅い時間だと周りに迷惑となるので使えないことも。夜遅い時間に帰宅するシフトですと、洗濯機をいつ使えばいいかが悩みとなります。
風呂が共用の場合、入浴時間が制限されており、好きな時間に入れないのが悩ましいところ。また、体をよく拭かずに脱衣所に入ってくる、体を洗わずに浴槽に入る、といったマナーの悪い人に遭遇するのも問題です。
仕事を終えたあとは、誰でも心身を休めるためくつろぎたいと考えるはず。しかし寮では工場で働いている人がほぼ全員住んでいるので、部屋から出ると知っている人に出くわすことも。
何度も寮で職場の人と顔を合わせてしまい、「休んでいる気がしない…」という気持ちになる人も多くいます。
寮の周りは娯楽が少なく、友人もいない状況ですと、毎日が寮と工場の往復となります。代わり映えのしない毎日に嫌気がさしてくる人も少なくありません。
寮付き求人の1番のメリットは、お金が貯まりやすいこと。家賃を補助してくれるだけでなく、全額会社側が負担してくれる場合も。家賃以外にも、水道代・光熱費まで無料の寮もあり、格安で住めます。
また、都心から離れた場所に建てられていることが多いので、娯楽が少なく、それゆえにムダ遣いをする機会が減るのもメリット。
ただし人によっては休日に羽目を外しすぎ、たくさんのお金を使ってしまう場合もあります。ある程度の貯金を考えているなら、お金の管理に気を付けましょう。
寮にもよりますが、家具家電が完備されている寮も多くあります。
自分で買いそろえる必要がないので、引っ越し費用を掛けずすぐに移り住むことができます。また、寮から出ていく時も家具家電はそのままで置いておくだけ。処分する手間もかかりません。
寮によっては食堂がついているところもあり、自分で料理をせずに毎日3食食べられる場合があります。
1人暮らしだとどうしても料理をするのが面倒になり、インスタント食品や弁当に頼り切る人も多いはず。ライン工の仕事は体が資本ですので、不健康な食生活を続けると仕事にまで悪影響が及ぼされてしまいます。
食堂で出されるメニューは栄養面にも配慮しているため、面倒な料理をせずに毎日健康的な食事を食べられます。
メニューの値段も比較的安いので、金銭面での負担も少ない点もメリットでしょう。
ライン工の寮といえば、多くの人は築年数の古い建物だろうと考えがち。しかし最近では少しでも多くの人を雇うため、新築の寮を用意する会社も少なくありません。
特に最近増えつつあるのが女性寮。女性の従業員を増やしたいとする工場が、女性でも安心して住める女性寮を新たに用意する場合があります。築浅の綺麗な物件であるため、快適に住むことができるでしょう。
一昔前は相部屋がスタンダードだった寮ですが、近年では個室が用意されていることも珍しくありません。
特に新しく建てられた築浅の寮の場合、個室が用意されている傾向があります。プライベートを確保できるため、仕事が終わった後ものんびりとくつろげるでしょう。
工場の寮は基本的に工場の近くにあるので、寮から歩いて工場へ出勤できます。また、工場から離れた寮でも、会社側が送迎バスを用意している場合も。都会で毎日満員電車に乗るストレスもなく、快適に通勤ができます。
同じ工場で働く人とよく顔を合わせるので、人間関係を築きやすいのがメリット。普段の仕事での人間関係も良くなりますし、仕事の悩みの相談を聞いてくれる場合もあります。
1人暮らしだと人間関係が希薄になり、孤独感を感じやすくなりますが、寮で良好な人間関係を築ければ、毎日楽しい仲間と一緒に過ごせるでしょう。
寮では同じ工場で働く同僚・先輩が住んでいるため、人間関係には特に気を使う必要があります。
相手の持ち物を勝手に使う、夜中に大音量でテレビを見るなど、最低限のマナーを守れなければ人間関係も悪化してしまいます。
人間関係の破綻は仕事での連携も悪くなりますし、寮に帰った後もギスギスした空気の中で過ごすことに。心身ともに追い詰められる可能性があるため、寮生活では特に注意が必要です。
また、どの寮でも独自のルールといえる「暗黙の了解」が存在します。入寮したばかりですとこれがわからず、知らない内にマナー違反を犯してしまい、人間関係が悪くなる場合も。
こうした問題を防ぐには、自分から積極的に周りの人との人間関係を築く必要があります。相部屋の相方や、同じラインで働く同僚・先輩などへ積極的に話しかけていきましょう。仲の良い人が増えれば寮独自のルールも教えてくれるので、周囲と良好な関係を保ちながら暮らすことができます。
寮付きの求人に応募する際に注意するべきなのは、一体どんな寮に住むのかということ。
寮は自分が生活を営む拠点といえる場所です。住む寮が自分の希望に合わない場合、プライベートでも強いストレスを抱えてしまうでしょう。
寮の情報は求人情報にも載っていますが、ネットでも調べられます。工場と寮の名前を検索すれば、会社のホームぺージや過去に工場で働いた人の口コミ情報から、どんな寮なのかがわかります。求人に応募する前に必ず確認しておきましょう。
寮付きのライン工の求人では、どのような仕事があるのでしょうか?実際に出されていた求人を例にご紹介いたします。※情報は2019年10月時点の内容です。
自動車シートのフレームを溶接する機械に、加工前の部品を設置します(部品重量は2~5Kg程度)。加工が終われば完成品を回収し、目視で状態の確認・運搬する作業を行います。
板状のスポンジを型押しマシンに取り付け、スイッチで操作し加工をする仕事です。加工が終わった後は製品の目視検査を行います。
テレビ・スマートフォン・パソコンに使われている液晶フィルムの製造。大型ロール状のフィルムを機械にセットし、3~5人のチームで発注内容に合わせてカット、貼り合わせ作業を行います。