パートが多いイメージはあるが、製造の正社員比率は70%以上もある。これは不動産や医療・福祉よりも高いんだぞ[注1]。
ライン工として工場で働く人といえば、アルバイトの学生やパートの主婦、フリーターなど、非正規社員が多いというイメージはありませんか?
少し古いデータですが、厚生労働省が2012年にまとめた「非正規雇用の現状」によると、製造業における正社員の比率は72.8%でした。実は、医療・福祉業界(64.1%)や、不動産業界(63.4%)よりも、製造業は正社員の比率が高い業界なのです。
ただし、近年は正社員の比率が低下傾向にあるというデータもあります。
同じく厚生労働省の「就業形態の多様化に関する総合実態調査(2015年)」によれば、製造業で「正社員の割合が増えた」と回答した企業は全体の13.3%だったの対し、「減った」と回答した企業は16.0%になっています。売り手市場と言われる昨今ですが、正社員として製造業に就職するのは、年々難しくなっているようです。
とはいえ、自動車産業をはじめ大手メーカーであれば、正社員の比率はとても高くなります。もちろん給料も高く、福利厚生やボーナスもありますし、何より倒産リスクが低いという安定性が魅力でしょう。
当然、就職するには激しい競争率を潜り抜けなければなりません。
それでも、「大手メーカーで正社員として働きたい!」という方に、ちょっとした裏ワザをお伝えしましょう。それが、「正社員登用制度」を使うことです。
この制度は、アルバイトや契約社員として何年か働いた後に、本人の希望があれば正社員に昇格できるというもの。この制度で正社員になった方が多いのも製造業の特徴のひとつです。
ただし、いくら本人が希望しても企業側が正社員を募集していない場合には、採用されません。大手メーカーで正社員として働くなら、最初から正社員を募集している企業に正面からチャレンジするほうが王道でしょう。
大手を狙うなら、その子会社に正社員として入ることも一手。子会社から出向というかたちで大手に移り働くこともありますし、ヘッドハンティングされて大手に転職できるチャンスもあります。