製造業はたまに夜勤があっても、だいたい時間が決まってて、給料もそれなりにもらえるから、「普通の人間の生活ができてる」感じが良いんだよなぁ。
高卒の就活生に人気がある仕事といえば、工場勤務、販売・接客、公務員などが多いようです。
高卒の方にとって、工場勤務にはどんな魅力があるのでしょうか。他の職種ともあわせてみてみましょう。
工場勤務といってもさまざまで、工場によって担当する業務は変わってきます。
自動車や家電製品を扱う工場なら、組み立てや塗装、検査業務が主となります。食品を扱う工場なら、食材のカットや調理、加熱処理などに対応。部品の表面加工を行う工場だと、部品のコーティングや研磨を主に行います。
手作業がメインの工場だと、自分の技術と経験を武器に仕事ができるため、ものづくりにおけるやりがいを感じられます。逆に機械を使った業務がメインの工場ですと、機械の操作だけで負担なく作業ができる点が魅力に感じられるでしょう。
工場勤務を選ぶメリットのひとつは、未経験者でも仕事を早く覚えやすいこと。高校で学んだ内容を生かしたり、興味がある業界を選んだりすれば、やりがいも感じられるでしょう。
また、働き方も正社員だけでなく、派遣やアルバイトなど多様な点も特徴。プライベートとバランスを取りながら、自分にピッタリな働き方が選びやすいのも工場勤務です。長く働けば技術と経験が得られるので手に職がつきますし、役職者になることでキャリアアップしていくことも可能でしょう。
そのうえ、大手の工場であれば給料も高い傾向にあります。今のうちにガッツリ働いて稼ぎたいという方にも適しています。
工場勤務の平均年収はおよそ300万円。平成29年度の国民全体の平均年収が432万円ですから、工場勤務の年収は低いように思えます。
しかし、これらの値はあくまで平均。大手企業の工場に勤務していれば、高い給与が得られる場合もあります。大手自動車メーカーであれば、20代で年収400万円(ボーナス込み)。年齢によっても給料は上がり、30代で400~500万円、40代で役職が付与されれば500~600万に増える場合もあるのです。
20代の若い世代や、入ったばかりで経験が浅い人ですと、給与が安い傾向にあります。しかし、長く勤めて技術と経験を積み、役職を得られれば、工場勤務で高給を得るのも夢ではありません。
求人案件の多い職種のひとつです。ホールスタッフ、調理、店長候補など、さまざまな仕事があります。しばらく修行した後に独立し、自分の店を構えるチャンスがあるのも、飲食業界の魅力でしょう。
一方で、残業が多く重労働がある、「雇われ店長」は給料が安いといったデメリットもあります。
厨房で調理に携わっているなら、長く務めれば調理技術を身につけられます。プライベートで腕をふるうことはもちろん、将来飲食店を開きたいと考えている人にとって貴重な経験となるでしょう。
ホールやレジ打ちといった接客を担当している人であれば、人との会話がうまくなることや、自然な気配りができるようになるなど、対人スキルを高められます。コミュニケーション能力やチームワークを重視する企業は多いため、転職する際もこうしたスキルは生かせるはずです。
お店にもよりますが、職場の雰囲気や人間関係の良さをメリットに上げる人も多く見られます。飲食店はチームワークが重視されます。仕事を続けていけば自然と距離が近くなり、社員・アルバイトといった立場の区別なく、和気あいあいとした関係を築けるのです。
飲食店の平均年収は約300万円。国民全体の平均年収に比べると、低い額といえます。ただし、調理師免許取得で資格手当が得られる場合や、チーフや店長のような役職に就いた場合は、300万よりもさらに高い年収が期待できます。
販売・接客業も、未経験者OK!として募集の多い職種です。コンビニ、スーパー、ホテル、テーマパークなど業種もさまざま。自分が好きな世界で、好きなものに囲まれることに幸せを感じられるでしょう。
とはいえ、商売ですから売ることが第一。在庫管理や商品発注など事務的な仕事や、接客マナーを覚える必要もあり、学ぶことはたくさんあります。
販売・接客のメリットは、人と直に接して仕事ができること。人と接する仕事と聞くと、クレーマー対応のようなつらい仕事を想像する人もいるでしょう。しかし、直接人から批判されるときがあれば、人から直接感謝をされるときもあるのが販売・接客業の醍醐味。ちょっとした気づかいで「ありがとう」と言ってもらえるだけで、これまでの疲れも吹き飛び、仕事にやりがいを感じられるでしょう。
平均年収は約300万円。特に20代の若い世代の場合はアルバイトが多く、300万円以下という人も珍しくないため、給与面での待遇は厳しい印象です。
しかし、お客さんの需要や要望を把握し、対応していけば評価が上り、給与がアップする可能性もあります。お店の売上を伸ばすことで評価され、正社員としての採用や役職登用がされる場合もあるので、必ずしも給与面で恵まれないとは限りません
ショッピングセンターやイベント会場での警備から交通誘導、貴金属や現金輸送など警備といっても幅広い仕事があります。
一人で任される業務も多く、責任感が重要。さらに突発的なアクシデントにも的確に対応できる臨機応変さも求められる仕事です。
メリットとしてまず挙げられるのが、資格・経験不問で働ける点です。いろいろな現場で働けるのでマンネリ化せずに働ける、屋内だと天候に左右されないため負担が少ない、といった点も魅力といえます。
また、警備員として働いていると、防犯に関する知識や車の事故予防の知識が身につきます。アルバイトから入って知識や資格を習得し、大手のセキュリティ会社への就職を目指すこともできるでしょう。
孤独な仕事と思われがちですが、イベントのスタッフや会社の社員など、警備をする現場でさまざまな人と接する機会もあります。多くの現場を周って警備する場合、たくさんの業種の人と知り合えるチャンスが得られますし、人と接することでモチベーションが高まる場合も。人から直接感謝の言葉をいただけることもあり、そういった時にやりがいを感じられるでしょう。
警備員の平均年収は約300万円。100人未満の事業所だとさらに低く、約250万円という場合も。ただし、警備に関する資格を取得すれば、資格手当の得られる警備会社へ就職できるので、収入をアップすることは可能です。
建設や電気工事など、工事現場の監督をするのが施工管理の仕事です。職人たちが安全に働けるよう細かなところまで配慮しつつ、スケジュールの調整、顧客との打ち合わせ、報告書の作成といったように、仕事内容は多岐にわたります。
ゆえに責任も重大。クレーム対応を迫られることも。困難を超えて無事に工事が終われば、やりがいはひとしおです。
施工管理技士として働くメリットは、まず第1にキャリアアップがしやすいこと。自分の実務経験や所有している資格、スキルが給与や役職に直接影響します。つまり、「頑張れば頑張るほど結果として現れる」わけですから、高い意欲を持って仕事に励めるでしょう。
また、さまざまな人と出会えるのもこの仕事のメリット。現場で働く作業員だけでなく、工事の発注者や現場の近隣住民の人と会い、折衝をするのも施工管理技士の仕事です。人とのコミュニケーションが好きな人であれば、やりがいを感じる仕事かもしれません。
平均年収は、施工管理を行う業種によって異なります。電気施工管理の場合、1級管理技士が約450万、2級の場合は約400万円です。土木施工管理だと約400~500万円、施工管理の場合1級が約500~600万円、2級が400~500万円です。
国民全体の平均年収に比べ、給与水準はやや高め。1級の資格を得ており、なおかつ役職が高い人ですと1,000万円以上の高給が得られる場合もあります。
営業の募集は、高卒でも多いです。時には数百から数千万円の案件を動かすこともあり、会社へ貢献はもちろん、社会に貢献する仕事でもあります。
営業にとって重要なスキルは、コミュニケーション能力。単にモノを売るのではなく、顧客の要望をくみ取り、それに見合う提案をするのが何よりも大切です。
営業職の1番のメリットは、成果に応じた待遇が得られることです。多くの営業職は基本給にプラスして歩合給が支給されるため、高い成果を収めれば、その分支払われる給与も高額に。結果を出せばすぐに見返りが得られるので、高いモチベーションで仕事ができるでしょう。
実力次第でスピード出世も夢ではありません。入社して数年で高い役職に就ける可能性もあります。
ノルマのような目標が明確に設定されているのも、人によってメリットとなるでしょう。目標達成までの数字が明確ですから、達成できれば高い達成感とやりがいを感じられるでしょう。
営業職全般での平均年収は、約418万。最も平均年収の低い広告業界だと約397万円で、逆に最も高い海外営業だと約507万円です。国民全体の平均年収と比較すると、ほぼ平均かやや高い傾向にあります。
営業職には既存の顧客へフォローをする「ルート営業」と、新規客の開拓をする「一般営業」があります。高額な年収を得るには、より高いインセンティブが得られる一般営業を選ぶと良いでしょう。
安定性を求めるなら、公務員が妥当。給与も福利厚生も充実していて、残業も少ないのでプライベートも充実しやすいです。
人気のある職種ですが、難点は転勤が多いこと。特に若いときは、都市部から離れた遠いところに赴任する場合もあります。
前述したとおり、公務員のメリットは安定性。給与が安定しており、さらに毎年昇級が見込めるため、長く勤めれば給与アップも見込めます。
「公務員はクビにならない」といわれていますが、最近では実績の少なさが「分限免職」に相当するとし、事実上のクビにされたという話も聞かれます。とはいえ、民間企業に比べれば免職されたケースは非常に少ないので、解雇されるリスクが少ない業種といえるでしょう。
各種手当の多さや定時で帰れるなど、働く上での待遇の良さがメリットといえます。
また、行政側の仕事として事業者への監視や規制を行うことや、さまざまな業種に関する枠組みを作ることも担当するため、そこにやりがいを感じる人も多いのです。
公務員の平均年収は約686万円です。もちろん国家公務員と地方公務員、着任する自治体によって年収は変わります。最も年収の低い地方公務員だと約372万円です。しかし、それでも国民全体の年収に比べ高い部類に入るでしょう。
不動産業界の仕事は、大きく分けて「建物の設計・施工」「建物の販売」「建物の賃貸」「建物の管理」の4つに大きく分類できます。
住宅施設や商業施設の設計・施工をする開発業者。住宅の販売をするハウスメーカー。賃貸物件を仲介する不動産仲介業者、物件管理を担当する管理会社などが、これらの仕事を担います。
不動産業界のメリットは、学歴・経歴不問で評価されやすい点です。また、出世や昇給も早いため、成果を上げれば好待遇を受けられます。
また、顧客1人ひとりに対応し、顧客に寄り添いサポートができるという点もメリット。要望に限りなく近い物件を紹介し、購入した人から喜びの声をいただいたとき、この上ないやりがいを感じられるのです。
不動産業界の平均年収は約665万円。国民全体の年収に比べ収入は高い傾向にあります。人口減少による景気の悪化が懸念される声もありますが、中古物件のリノベーションや海外進出といった対策も講じられているようです。
保険業界は、「生命保険」と「損害保険」の2つに大別できます。生命保険はがん保険や医療保険などの商品を取り扱い、損害保険は火災保険、自動車保険などを取り扱います。
国内資本の企業と外国資本の企業のほか、最近ではインターネットを通じて業務を行うネット系企業も注目されています。
さまざまな人と出会い関わることができるのが、この仕事の大きなメリットです。
対人スキルを上げられるので、もし転職する場合は営業職や接客業でスキルを生かすことができるでしょう。
保険は加入した人のライフスタイルに大きく影響する仕事です。1人ひとりのライフプランをサポートし、顧客から喜ばれたとき、やりがいを感じる仕事でもあります。
企業によって異なりますが、保険業の平均年収は約450万円~640万円です。国民全体の年収と比較して、高い給与が得られる印象です。
高齢者や児童、何らかの障害を持っている人など、自力での生活が難しい人に対してサポートをするのが介護の仕事です。
介護を受ける人の住む家でサポートをする「居宅サービス」と、介護施設でサポートをする「施設サービス」の2種類が主に挙げられます。
メリットは働き口が多く、安定した収入が得られること。
介護業界は現在慢性的な人手不足。未経験でも就職しやすく、さらに経験者や有資格者は好待遇の介護職に就きやすいため、手に職をつけられる仕事といえます。
また、多くの女性が活躍する業界なので、女性でも就職がしやすい仕事といえます。
肉体的・精神的にハードな部分があり、さらに労働時間や待遇の悪い企業がクローズアップされ、「ブラックな職場」というイメージが強い介護職。しかし利用者やその家族から直接「ありがとう」と感謝され、やりがいを感じるという人も多いのです。
介護職全体の平均年収は、約270~400万円。特に20代前半だと平均して300万円以下であるため、国民全体の年収に比べて低い印象です。しかし、介護福祉士の資格取得や、リーダーや主任といった役職者になれば、年収をアップさせることも可能です。
運送業の仕事は、簡単にいえば目的地まで人や貨物を運ぶこと。
商品や資材をトラックで運ぶ仕事や、バスや鉄道、航空機などで人を目的地に運ぶ運輸業も広い意味で運送業の1つだといわれています。
運送業の1番のメリットは、安定して働けることです。
ネット通販を利用する人が増加し、業界は現在人手不足に陥っています。経験者や大型トラックの免許を持つ人であれば、好待遇の仕事に就ける場合もあります。
また、基本的に1人で仕事を行うので、人間関係に悩むことが少ないのもメリット。車の運転をする時間が長いため、運転が好きな人だとこの点もメリットとなるでしょう。
運送業全体の平均年収は、約300~450万円。国民全体の年収と比べても低い額ではありません。特に大型ドライバーや長距離ドライバーは年収は高く、大型ドライバーの場合約450~650万円、長距離ドライバーだと約400~750万円です。
ここまでさまざまな仕事について解説しましたが、この中で高卒の方におすすめできるのが、工場勤務。
学歴や資格、経験などを問われることが少ない上、働きながら溶接技術・機械整備・電気工事のような専門的な技術を学ばせてくれるため、手に職をつけやすいのです。まだまだ景気回復が実感できない昨今、技術や資格を持っている人は将来的にも安定します。将来への備えとして、工場勤務を視野に入れてみてもよいでしょう。
特に「ものづくり」が好きな人にとって、工場勤務は天職といえます。自分が関わった商品が、たくさんの人に利用され、社会に役立っていることを実感できるのも工場勤務の魅力なのです。