工場夜勤はキツイって意見も多いんだが、手当がつくから給料はけっこういいし覚えやすい仕事が多いんだな。
工場夜勤は辛い、キツイというイメージを抱いてはいませんか。もちろんそう感じる人も多いのですが、夜勤のほうが稼げる、夜勤のほうが働きやすいという意見も少なくありません。夜勤は無理、夜勤はいやだ!と最初から決めつけてしまわずに、実際に夜勤にはどんなメリット・デメリットがあるのかチェックしてじっくり考えてみましょう。
深夜手当が付くので、同じ仕事をする日勤の人よりも給料が高くなります。25%の割増が付くので、時給1,000円の仕事なら深夜手当を含めると時給1,250円になるということ。同じ仕事をしていても、日勤か夜勤かだけで大きく年収にも差が出てきます。
また夜勤のみの仕事ではなく、交替勤務を行う場合は、交代手当がでる工場も少なくありません。
夜勤の人が工場に行く時間は、夜になってから。道路や電車が混み合っているラッシュ時に巻き込まれることがなく、快適に通勤できます。ただ交替勤務は、交替時間によってラッシュの可能性あり。
役所や郵便局、医者など平日の昼間でなくては用事がこなせないところに行く場合、通常は仕事を休まなくてはいけません。ですが夜勤の場合は昼間の時間を自由に使えるため、休みを取らなくても用事を済ませることができます。体力的に自信があれば、映画館やアミューズメントパークも混雑することなく楽しめます。
工場夜勤の人は、あまりお金を使わなくなります。睡眠時間を確保しないと体が持たないため、夜勤をして昼間は常に遊ぶことはできませんし、仕事が終わったあとは開いているお店も多くはありません。お金を使う機会そのものが減少するので、お金を貯めたいという目的がある人に工場夜勤は有利です。
夜勤をしていると、仕事帰りに飲み会に行こうと誘われることはまずありません。仕事関係の人とコミュニケーションが苦手という人は、付き合いが少ないので楽だと感じるでしょう。また営業先は夜間仕事をしていないことも多いので、問い合わせなどに対応する必要もないでしょう。
また、日勤に比べて人が少ない夜勤は、軽作業など一人でコツコツこなせる仕事が多くなります。人間関係に気を使わなくても務まる点が、メリットです。
夜勤のある仕事は2交代制か3交代制になることが多いのですが、朝になれば日勤や早出の人が出勤してきます。その人たちと仕事を交代することになるので、3交代であれば残業はなし、2交代制で仮に残業になっても長時間ということはありません。
工場夜勤の仕事は、未経験者でもすぐに採用してくれるところが多いようです。そうした職場は、実は仕事そのものも簡単に覚えられるものであることがほとんど。覚えることが多かったり難しい仕事だったりすることはまずありません。すぐに覚えられる仕事のわりに、お給料が良い点が大きな魅力なのです。
工場の勤務夜勤は意外とメリットが多いことがおわかりいただけたでしょうか。ですがもちろん、夜勤の工場勤務にはデメリットも存在します。今度はデメリットを見ていきましょう。
昼間活動している人の生活音や、日光など、眠りにくくなる原因は人それぞれはありますが、夜勤は日勤よりも睡眠環境を整えることが難しくなります。
また交替勤務の場合は、休みの日にうまく夜型と朝型を切り替えられなくなることもあります。夜勤専門で働くより交代制のほうがキツイという意見があるのはこのためです。
睡眠が上手に取れるかどうかで、夜勤は慣れることができる人と、どうしても向かない人が出てきます。また若いころは大丈夫だった人でも、年を取るとだんだんきつくなるという人もいます。
夜勤はどうしても夜型の生活になり、朝起きて通勤、通学をしている人とは時間が合いません。また、24時間可動している交替勤務では、3勤や4勤ごとに休みになることが多いので、場合土日・祝日に休めるとは限りません。家族や友達と一緒に遊ぶことが難しくなるのは大きなデメリットでしょう。
一人で黙々とできる仕事が多い点は、人によって大きなデメリットになるでしょう。単調な仕事が多いため、飽きてしまう、モチベーションを維持するのが難しいことがあります。同じことを続けるのが苦手な人は、工場夜勤の仕事内容に満足できないかもしれません。
夜勤のつらさとしてよく挙げられる、仕事中の眠気や日中の眠りづらさ。実はちょっとした方法で対策することができるのです。
人の体には「体内時計」と呼ばれる生体機能のリズムが存在します。朝は血圧が上がり体温が上昇し、昼にかけて徐々に活動的になりますが、逆に夕方から夜にかけては体温が下がり、徐々に体が睡眠に向けて準備をしていくのです。昼勤から夜勤に移行すると、こうした体内時計の問題で仕事中に眠くなり、休まなければならない日中に眠りにくくなるのです。
体内時計を1日で変える方法は現在存在しません。昼型から夜型へ体内時計を移行させるには、およそ3週間ほどの時間がかかります。体内時計は日光によってリセットされるため、夜勤の場合は夜型になるまで朝日を浴びないように気を付けましょう。
ほかにも、夜型に移行させるため利用できるのが、「末梢時計」を合わせる方法。体内時計は脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)と呼ばれる部分で主に調節されますが、それ以外にも臓器や末梢組織でも個別に調節される「末梢時計」が存在します。
末梢時計を調節する方法として有力視されているのが、食事。特に朝食が末梢時計の調節に関わっていると注目されています。体内時計を夜型にするには、起きてすぐに食事を取ることが大切。夕方ごろに食べたとしても、末梢時計は「朝食」と勘違いするため、体内時計が夜型に移行しやすくなるのです。
仕事中の眠気を抑えるのに最も効果的なのが、仮眠。あえて眠気に逆らわず仮眠を取ることでストレスを軽減し、さらに疲労感を抑え仮眠後の集中力を高める効果が得られます。
理想的な仮眠のタイミングは午前3時~午前6時。仮眠の時間は、深い眠りでありノンレム睡眠から浅い眠りのレム睡眠へと移行する間。つまり2時間がベストとされています。
しかし、勤務中に2時間も休憩が取れる会社は非常に少ないはず。そこでおすすめなのが10分だけ仮眠をとる方法です。「Brooks&Lack,SLEEP 2006」(寝起き認知テスト)では、10分間の仮眠が最も眠気を抑えられるという結果も。短時間でも仮眠を取れば、夜勤の辛さを抑えることができるのです。
夜勤の間、多くの人が頼りがちなのが、コーヒーやエナジードリンクなどのカフェイン飲料。飲むと頭がすっきりし、眠気を感じにくくなります。
ところが、カフェインを摂取すると後々の睡眠にも影響を及ぼし、寝不足に陥る可能性があるのです。
「それはわかってるけど、コーヒーを飲まないわけにはいかないし…」という人も多いはず。そこでおすすめしたいのが、「コーヒーを飲む時間帯」。
個人差はありますが、コーヒーに含まれるカフェインは、体内でおよそ5~8時間で半減します。つまり、コーヒーを飲んでから約8時間以上経てば、カフェインで寝不足になるリスクを抑えられるのです。勤務時間が8時間近くなら、朝起きてすぐにコーヒーを飲むと良いかもしれません。
ただし注意しなければならないのは、カフェインの代謝には個人差があるということ。工場まで車で通っている人の場合、仕事終わりの眠気が1番危険です。対策として、日ごろからコーヒーを飲む時間を記録しておくことが重要です。カフェインの効果を体感できる時間はどれくらいか把握すれば、仕事終わりまで効果的に眠気を抑えられます。
日光には目覚めを促す効果があります。体内時計を整える作用があるので、夜勤から昼勤へ戻る人の場合、日光を浴びることは効果的です。
一方で夜勤を続ける人の場合、日光を浴びると日中寝つきにくくなり、寝不足に陥る可能性があります。
夜勤明けで夜が明けた時はサングラスを着用し、部屋の中は1級遮光カーテンを引き、昼勤に戻るまでができるだけ日光を避けましょう。
人の体温は朝から昼間にかけて徐々に上昇し、就寝する夜に向かって下がるというリズムで変動します。体温の変化も睡眠に大きく関係しており、寝る前に体温が高い状態だと寝つきが悪くなりやすいのです。
寝つきを良くするには、眠る前に体温を下げるのが効果的。そこでおすすめできるのが、眠る1時間前にお風呂に入る方法なのです。
「逆に体温が上がってしまうのでは?」と考える人も多いでしょう。お風呂に入ると一時的に体温が上がりますが、1時間後になると平熱にまで下がります。この「わざと体温を上げて下げる」ことが重要。体が体温の低下を感知し、眠りやすくなります。
就寝前に精神をリラックスさせることも、心地よく眠るためには必要です。軽いストレッチで体をほぐす、アロマやハーブティーで心を落ち着かせる、といった方法も同時に行うとさらに効果的でしょう。
特に資格や経験がなくても、しっかり稼げる仕事が工場夜勤です。向き不向き、合う、合わないはあるものの、給料以外にも人間関係が楽、残業が少ないなどもメリットも豊富にあります。辛いと感じる人ももちろん多いので、無理ならやめればいいくらいの気持ちではじめてみると良いでしょう。