扱っている商品から女性ばっかりの華やかな職場みたいに見えるが、結構重いものを運ぶから、意外と男が多い仕事なんだな。
化粧品製造工場でライン工の仕事内容は、大きく「化粧品を作る工程」と、できた化粧品を「瓶や缶などの容器に詰めて出荷までの準備をする工程」に分けられます。
化粧品を作る工程では、薬剤の処方(薬の分量や製造工程が書かれた指示書)に従い、原料を投入し、撹拌や加熱、冷却などをするのが仕事内容です。分量の間違えや処方ミスがあると、肌荒れなど利用者に多大な被害をもたらすことになりますから、入念にチェックしたうえで作業を進めることになります。
その後、検査員によってチェックされ、合格すれば容器に詰める工程へ。この作業では、機械オペレーターの業務がメインです。材料を設置してボタンを押すだけなので、それほど労力はかからないでしょう。
容器に詰められた化粧品は、「容器が破損していないか」「液漏れがないか」などの検品作業へ。それから製品を箱に入れ、取扱説明書を加え、シール貼りといった包装・梱包作業を経て、配送先ごとに仕分けて出荷となります。
検品や包装・梱包の仕事は力仕事は少なく、慎重かつ丁寧に仕事を進める必要があることから女性が活躍しやすい現場です。これに対し、化粧品を作る工程や最後の出荷前の仕分けは力作業が多いため、男性がメインになることが多いようです。
軽作業が多いイメージのある化粧品製造工場ですが、力作業が意外と多く、こうした現場で働くライン工からは大変だという声も挙がっています。
例えば、化粧品を作る工程で働くライン工からは
といったライン工の口コミも見られます。扱う製品によっては、過酷な労働条件の工場もあるようです。
大変な仕事の工場もありますので、面接の際などに工場内で仕事内容を見せてもらうとよいでしょう。担当者から説明を受けるよりも、自分の目で現場を見たほうが理解しやすいと思います。
見学の際には仕事内容はもちろん、現場ではどんな人が働いているか、残業はどれくらいあるかなども教えてもらい、自分の働き方にあっている会社を選ぶようにしましょう。
国内市場の縮小により、化粧品業界も国内需要は右肩下がりの傾向にあります。会社によっては高級ブランドに転換することで、販売数が減っても売上額を落とさないような戦略を取っているところもあります。
その一方で、需要が大きく伸びているのが海外向けの化粧品。とりわけ中国や東南アジアなどは日本の化粧品は人気が高く、需要が急増しているようです。
生産拠点を海外に移すメーカーは、一時期よりも減少傾向にあります。安心・安全といった信頼性が重視される化粧品業界では、「国内の工場生産」というのが一種のブランドとなっているからです。
資生堂のように、栃木県や大阪府に新工場を設立するメーカーもありますし、製造は提携会社に委託するといったアウトソースを進めているメーカーもあります。
いずれにしても、化粧品製造工場は今後も安泰だと考えられます。
一方で、化粧品製造工場ではアルバイト社員が活躍する現場が多くなっているようです。化粧品の研究・開発や、作る工程など、責任が求められる現場では正社員が多いですが、材料を仕入れて製造現場に運ぶ人や検品作業をする人、出荷前の仕分けをする人などは非正規社員がたくさん働いています。
海外向けの商品でも、国内で生産すると価格はどうしても高くなります。それを少しでも抑えるには、人件費を削るしかありません。
もちろん、アルバイトから正社員に昇格する制度を設けた会社もありますので、社員になることも可能でしょうが、ライン工として正社員での求人数は少なくなっているようです。
化粧品製造には、大手メーカーもあればOEM(受託生産)のメーカーもあります。
国内シェアはトップ、世界88カ国で事業展開する大手化粧品メーカーです。
資生堂の化粧品工場は、埼玉、静岡、大阪の3拠点。数年後には栃木にも工場が誕生する予定です。女性も多く、残業時間が比較的に短いなどの魅力があります。
洗剤やシャンプーなどとともに、化粧品事業にも注力している花王。スキンケアやメイクアップ用品を取り扱っています。
化粧品関連の工場は、神奈川県(小田原工場)と愛知県(豊橋工場)にあります。
OEM(受託生産)の工場です。大手メーカーなどから化粧品の研究開発や製造を委託されることもありますので、自分が手掛けた商品が全国で販売されるという「やりがい」にもつながるでしょう。三重県と栃木県に、大規模な工場があります。
化粧品を製造する工場に就職した場合、具体的にどのような仕事を任されるのでしょうか? 実際に出されていた求人情報を元にご紹します。※情報は2019年8月時点の内容です。
化粧品の製造ラインの工程管理・生産管理・抜き取り検査が主な仕事内容です。
納期までに化粧品を作るため、製造工程における体制のチェックと改善を行います。また、この求人では1時間ごとの化粧品抜き取り検査といった業務も行うようです。
仕事の内容は化粧品の製造レシピに基づき、原料の運搬・軽量・調合です。
計量した原料を台車で運ぶ作業を行いますが、運搬する原料は重いもので2~30kgと重量があるため、業務では一部肉体的な負担が掛かります。体力に自信のある男性が主に活躍できる職場のようです。
ライン作業で、化粧品または入浴剤の箱詰や簡単な検査を行います。
未経験者でもできる軽作業です。
基礎化粧品やメイク化粧品などの製造・調色・出来栄え評価・作業データ入力作業を行います。