製造業の中では緊張感がある仕事だな。チームでの作業やホコリひとつ許されない環境、ノルマ…。おい、ライン工のどこが単純作業なんだ?
半導体などに代表される電子部品の製造工場では、クリーンルームと呼ばれる室内で作業を行います。わずかなゴミやホコリの侵入も許さない特殊な環境のため、仕事内容によっては何日か研修を行う工場もあるようです。
そこでのライン工の仕事内容は、ライン作業と機械オペレーション、そして検査がメインとなります。
ライン作業は、ベルトコンベアで流れてくる製品に部品の取り付けやネジ締め、シール貼りなどの作業を行い、次の工程の人に渡すという流れ。作業は数人で分担して製品を組み立てていきますから、1人あたりの作業量は少なく、初心者でも覚えやすいでしょう。ただし、1人が遅れると後の工程にも影響が出ますから、責任感と連帯感を持って作業をすることが大切です。
扱う商品によっては、機械の対応で完了することもあります。その場合、ライン工の仕事は機械オペレーションが中心になります。生産機械に製品をセッティングし、加工を終えたら不良がないかをチェックするというのが、主な作業です。
製品が完成したら、最後に検査作業。サイズが規定内に収まっているか、キズやホコリなどが混じっていないかなど、細かい部分までチェックします。製品によっては顕微鏡を使って検査することもあり、繊細な作業を得意とする方に向いている仕事といえるでしょう。
重たい部品を持ち運んだり、過酷な環境で働いたりすることは少ない環境ですから、女性でも安心して働ける職場といえそうです。
ただし、ノルマの厳しい工場があるのも事実。基本的には、チーム単位や部署単位でノルマを設けているので、個人に対するノルマはありませんが、ライン作業の場合、一人の遅れが全体の遅れに直結することがあります。それによって、全員が残業をする羽目になることも。初心者には、しっかりバックアップしてくれるような会社かどうかも、会社選びのポイントといえるでしょう。
ライン作業を長く続けていると、いろいろな仕事を任されるようになります。仕事内容によっては溶接やはんだ付けなど、手に職をつけることも可能でしょう。また、フォークリフト免許や危険物取扱者資格などを取得すれば、仕事の幅を増やし、キャリアップも目指せます。性別や経験を問わず、一生懸命働く人には道が拓ける職種ともいえるでしょう。